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Chuodry Newspaper vol.1 [2020.09]
革製品を長く楽しむために
毎日使っているバッグ・通勤用の靴など、私たちの身の回りには革製品が溢れています。
革製品は使い込めば混むほど色が変わり、艶が出て、味わいが増します。
ただし革のエイジングを楽しむためには、普段からのお手入れが重要です。間違ったお手入れをしたり、お手入れを怠ると、革がもつ本来の美しさを引き出すことはできません。
愛着のある一品を末長くご愛用していただくために、今回は革のお手入れ方法について説明させていただきます。
普段のお手入れ方法
鞄の場合
鞄も革製品に関しては乾燥が大敵です。
簡単にご家庭でしていただく方法としては濡れ雑巾で全体的に拭き上げ、デリケートクリーム等水分の多いもので保湿をして馬毛や豚毛等コシのあるブラシで揉み込むようにマッサージしてあげましょう。
蝋分が多いものを使用されると合わせて有機溶剤も含まれている事が多く、褪色の原因にもなりますので、普段はご自身で、定期的にプロに検診をしてもらうと尚良いでしょう。
靴の場合
靴は上記の革製品よりも肌に触れる事も多く、地面との距離も近い為埃等も付着しやすくなります。
- 帰ってきたらすぐ馬毛ブラシでアッパーの革とステッチの部分を入念にブラッシングを。
- 洋服にハンガーを掛けるのと同様に革靴にもシューツリーを入れてあげましょう。
- 履かれる頻度にもよりますが1か月〜2か月に一回液体クリーナー(汚れ落とし)で汚れを落とし、乳化性のクリームを塗布し豚毛ブラシでブラッシングをし、乾拭きをしてあげましょう。
こちらも2か月〜少なくとも半年に一回はプロに検診にお出しいただく事でご自身とは異なる視点での気付きを与えてくれ、より長くお付き合いができるでしょう。
ジャケットの場合
洋服と同様普段のケアとしてブラッシングを。
その他は鞄と同様の方法でメンテナンスすることをオススメします。
こんな時どうする?
雨に濡れた時の対処法は?
革は不均一に濡れる事で濡れた箇所は収縮し、濡れていない部分との差がうまれます。
それが乾いた時に色の変化やクレーターと言われるボコボコ等が発生します。
対処法としては帰宅時に濡れ雑巾等で一旦全体的に水分を含ませて吹き上げ、革底は踵をを上げて壁に立て掛け、空気の通り道を作ってあげましょう。
出来れば靴の中には新聞紙等を入れ、定期的に取り替え水気を吸収してあげるとなおよし。
乾燥後にデリケートクリームなどの水分の多いクリームで保湿をしてあげると良い状態を保つ事ができます。
カビが生えた時の対処法は?
その場でサッとペーパーにアルコールを含ませて拭き取る事も可能ですが、色が褪色するリスクがございます。 カビはご自身で取ることは正直難しいですので専門にしているお店にお出しいただきクリーニング等をされる事をお勧め致します。
カビを生やさないために普段しておくことは?
簡単に出来る方法としては下記の方法があります。
- 連続して同じ靴を履かない。少なくとも1日、2日は間をあける。
- シューズボックスに密閉する事を出来るだけ避ける。仕舞う前には半日〜風通しの良い場所にて空気に触れさせる。
素材別のお手入れ
スウェードのお手入れ方法
スウェードは毛並みが整うだけでも印象が異なります。
また毛と毛の間に埃が溜まりやすい為、馬毛等のブラシで掻き立てる様にブラッシングをして整え、定期的にスウェードスプレーや防水・撥水スプレーをしてあげると良いでしょう。
褪色が目立ったり、毛並みがボザボサに感じた際はプロにお任せする事をお勧め致します。
ヌメ革製品のお手入れ方法
日焼けし、飴色に変化していくのがヌメ革の魅力でもありますが他の革とは異なり仕上げが殆どされていない為雨なども素直に吸収します。最近はヌメ革専用のクリームやデリケートクリームが市販されているのでそれを定期的に塗布し、その後防水・撥水スプレーをして頂くと良いでしょう。
爬虫類の革のお手入れ方法
あまり神経質になる必要もございませんがご自身でケアをされる場合はクリーナーで吹き上げをした後市販の爬虫類専用クリームで保湿をして頂くと良いでしょう。
製品によっては磨くと更に魅力的になるものもございます。それは一度プロにご相談ください。
プロの豆知識
新品の革製品を使う前はプレメンテナンスをしましょう。
新品の革製品を使う前は、プレメンテナンス(履き下ろし前のケア)をプロにお任せする事をお勧め致します。
新品時でも何もされていないもの〜ワックスが全体的に塗布されているものと様々で大抵が乾燥している事が多いのでそれを見極めて革を柔軟にしてもらいましょう。
油分が含まれていない事でシミを作ってしまう原因にもなります。
Q&A
- 革製品の色が薄くなってきたのは戻りますか?
- 状態や色にもよりますが基本的には褪色したものは戻す事が可能です。
- オフシーズンの革製品はどのように保管すればいいでしょうか?
- 夏場などよく汗をかかれたものはクリーニングにお出しいただき保湿をした後に保管して頂くと革の状態も履きはじめからも気持ちよくお出し頂けるかと思います。
その他の場合もケアをしてからか、半日〜風通しの良い場所に一度出してから仕舞われる事をお勧め致します。 - カバンの角が白くなってきました。直りますか?
- はい。色が褪色している物に関しては状態や色にもよりますが基本的には直す事が可能です。
- カバンを使っていたら取手が黒っぽくなってきました。直りますか?
- 革の色味が薄く、黒ずんでしまったものを完璧にもとに戻す事は難しいですがある程度近しい色に戻す事は可能です。
- 革製品の色を変えることはできますか?
- 革にもよりますが基本的には可能です。
よくご相談をうける例としては
・思ったより色味が明るくて使用頻度が少ない
・シミを作ってしまった
・気分を変えて使用したい
等がご依頼希望として多くございます。 - 表面がヒビ割れてきました。どうすれば良いでしょうか?
- 目立たなくする事はできますが基本的には生き物ではなく鞣されて皮から革へと変化したものなので割れたものを復元する事は出来ません。
定期的なケアが永く使用して頂くポイントにはなりますので、水分や油分が多く含まれている乳化性のクリームでの保湿をこまめにし、使用頻度を少し抑えてあげましょう。 - 革が硬くなってきたように感じます。柔らかく戻せますか?
- 状態により限界もございますがある程度は可能です。 こちらはプロにご相談される事をお勧め致します。
スタッフの一言
いつものバー
心地良い音楽を聴きながらお酒を飲むのが大好きです。
上本町にある「ハナミズキノヘヤ」はそれが満喫できる大好きなバーです。
JBLのエベレストがお店には置いてあって、とっても良い音で音楽がいつもかかっています。
選曲、大好きなjazzが多いのも大好きなポイントです。
実はこちらのお店でjazzについてはいろいろと教えていただきました♪
こちらのお店の3Fはライブハウスになっていて、新型コロナウイルスが流行る前は頻繁に音楽イベントが企画されていました。もちろん僕もそこに通っていた一人。
また早くライブ行きたいな…。
今後も通い続けたいお店です。
Kensuke Sawamura